アルコール性認知症の症状に、暴言や暴力があります。これは、アルコールの大量摂取により栄養が欠乏して起こる脳障害による症状の一つです。自分の感情をコントロールできなくなり興奮状態になったり、不安を感じて混乱してしまっているときや、ちょっとしたことでも敏感に反応してしまい自尊心が傷ついたときに、暴言や暴力が出ることがあります。これらの症状があるアルコール性認知症の介護は、自分に向けて言われている暴言や暴力でなくても、直接感情をぶつけられるので、精神的にもとても辛いです。
そのため自分を守るためにも、暴言や暴力が出始めたら無理をして相手にせずに、少し距離を取るといいでしょう。逆に、注意したり一緒になって声を荒げると逆効果になるので、注意が必要です。
そんな時は、他にも家族がいるのであれば、介護を他の人と代わってもらったり、介護サービスや施設を利用して距離を取ることを考慮するといいです。全てを自分で抱え込まずに、周囲に相談することで暴言や暴力を改善するヒントが見つかったり、吐き出す事でストレス発散にもなります。
また、アルコール性認知症は他の病気や症状が併発されるため、暴言や暴力だけではなく、介護が必要になることがあります。しかし、治療することでアルコール性認知症の症状である暴言や暴力も改善されるので、アルコール性認知症の症状で悩んでいる介護者がいるのであれば、医療機関を早期受診するといいでしょう。